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トラックボール製品レビュー

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Expert Mouse 7の新しいレビュー

KENSINGTON Expert Mouse

2003年6月30日掲載
2003年9月7日補随

Expert Mouse
Scroll Ring付き新Expert Mouse
今回のレビューはKENSINGTONのExpert Mouse (#64320)です。
この製品は米国で発売が始まったばかりで、日本国内ではまだ発売されていません。
今回の購入は、あの「2ちゃんねる」の掲示板で誰かが紹介してくれた米国のオンラインショップSPARCO.COMからでした。あまり日本では知られていないお店ですが、注文受付や予約待ちの確認のメールも届き、割と好印象でした。「2ちゃんねる」の掲示板によると何人か同サイトで注文していたようですが、トラブルなど無く購入できているようです。

すっかり定番となったExpert Mouseは、この製品が7代目にあたります。
この7代目で変わった点は大きく2つ。ひとつはボールを取り囲む形で配置されたスクロールリング。もう一つが光学センサ式によるボールの回転検知です。これについては追って詳しく解説します。

Expert Mouseシリーズの良さは、左右対称型のデザインと、大きなボール、大きなボタンに尽きます。親指と小指を第一、第二ボタンの上に添え、残り三本の指の腹を使ってボールを軽く包むように持つと、他のエルゴノミックデザインのトラックボールってなんなんだと思うくらい手にフィットします。
新しいExpert Mouseでは、ボールがこれまでの直径57.2mmから55mm(ともに実測値)にやや小さくなっています。小さくなったのはやや残念な気がしますが、このおかげでスクロールリングを挟んでも親指と小指のポジションが大きく変わらずに済んでおり、また、本体底面からのボールの高さをやや上げることで、ボールが小さくなっても人差し指のポジションが変わらないようになっています。
つまり、これまでの製品で培った理想的な指のポジションを変えずにリングを配置するということに徹したデザイン変更だと言えます。

質感
ボタンとリングの質感(拡大)
本体の色はガンメタリックとシルバーで、全体に黒っぽいデザインになっています。キーボードとのマッチングを考えると微妙な配色ですが、キーボードのカラーも多様化しているので、メーカーは苦労するところだと思います。
付属のパームレストは、表面に黒い合成皮革を張った発泡ウレタン製で、最近はやりのジェルタイプのものよりもやや硬めです。プラスチック製のパーツで本体底面と結合できるようになっているのでずれを気にしなくて済み便利です。ただ、パームレストを付けるとKENSINGTONのロゴが隠れてしまうのはちょっと惜しい気もします。

さて、そろそろ今回の目玉であるスクロールリングに触れてみます。
このリングは、マウス等に付いているスクロールホイールに代わるもので、回転させることで上下にスクロールをします。KENSINGTONではTurbo Ringに初めて搭載されました。リングは硬めのゴム製で滑らないように工夫されています。Turbo Ringのスクロールリングにはクリック感があったのですが、この製品ではスルッと動きます。一周で約40回のスクロール動作をする点は従来と大きく変わりません。
リング自体はボールの周りどこにでもあるわけですが、実際にグリップしてみると、薬指を使ってリングの右側を操作するのが良いようです。ジョグダイヤルのようにぐるぐる回すわけではありません。
このリングは、基本ポジションに手を置いたまま操作できるのが何よりの魅力です。

Expert Mouse
光学センサの光(曇りの日室内で撮影)
もうひとつの特徴である光学センサもなかなかのできです。
まず、これまでの光学式では常識であったボールの模様を無くしています。実際にはメタリックブラックになっているので、この粒子でセンサが反応するわけですが、これまでの光学式ボールに比べると、かなり自然な印象です。
光学センサは赤のLEDが光っていますが、光の漏れは少なくさほど気にはなりません。
また、そこそこ高速にボールを転がしてみましたが、ポインタの飛びも起こりませんでした。
一方、光学センサ式に変わったことで、これまで回転検出だけでなくボールの転がりも支えていたステンレスベアリングが廃止され、人工ルビーかと思われる小球の3点支持に変わりました。これによるボールの転がり具合の変化は多くのExpert Mouseファンが気にするところでしょう。
私の感触は「ほぼ問題なし」というところ。転がり感は他社の光学式トラックボールと同様に軽快で、適度な慣性も働きます。Turbo RingやTurbo Ballにあったような転がり感の不満はありません。

総合的に見て、私はかなり良い意味でハマってしまいました。Expert Mouse PROに替わって、当分は私のメインのトラックボールになりそうです。KENSINGTONの言う「究極のトラックボール」も決して大げさではない、そんな気がしています。
並行輸入品は秋葉原の一部ショップにも入っているようですが、早く量販店でも買える日が来てほしいものです。

しばらく使ってみて、多少気になってきた点もあるので追記しておきます。
まず、ボールの転がりについて。やはり3点支持と言うことで、他社トラックボールと同様にボールにあせ等が付くと転がりが悪くなります。ボールと支持球をちょっと拭けばまたスムーズに転がるわけですが、従来のExpertMouseの方が掃除の必要性は感じませんでした。
また、私の買ったものは本体カバー部が微妙にリングに触れて、回転時にシュルシュルという不快な音を出しました。こちらは成形のばらつきのようで、部品を削って解消しました。(galleryコーナーを参照)
ボタンについては、MouseWorksを使えば左奥が「戻る」、右奥が「進む」になるのですが、MouseiWorksなしでは左奥が「ホイールクリック」、右奥が「戻る」になってしまいます。
これは、ハード的に左奥が第3ボタン、右奥が第4ボタンになっているためですが、使われ方を考えれば左奥が第4ボタン、右奥が第5ボタンという作りの方がいいと思います。
いろいろ苦言も呈しましたが、結局ExpertMouse PROに代わって、このトラックボールがキーボードの横に鎮座していることを最後に書いておきます。


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