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トラックボール製品レビュー

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MacMice The Ball

2006年1月10日掲載

MacMice The Ball
玉子型デザインのThe Ball
前回レビューを掲載してから、はや1年が経過してしまいました。
実質的に2005年唯一の新製品となったMacMiceのThe Ballを今回はレビューしてみます。
 
今回もビックカメラの新宿西口店での購入です。ここにはトラックボール専用の陳列棚があり、従来からMacMiceシリーズの取り扱いもあったため、最も入手しやすいだろうと思われたショップです。
トラックボールの品揃え、他のお店ももっと頑張ってほしいです。
 
さて、この製品の特徴ですが、大きく2点が挙げられます。
一点は、シンプルでApple純正マウスにも似たそのデザイン。そしてもう一点は、世界初のBlueTooth対応トラックボールであることです。
以下、それぞれについてレビューしてみます。
 
まず、デザインについて。
 
全体の大きさですが、幅78mm奥行き115mmとトラックボールとしては小さめです。本体は小さめですが、ボールの径は40mmで、KENSINGTONのOrbitやLogitechのMarbleと変わりません。ホイールが奥に付いているので、ボールは指先で操作するより第二関節当たりで転がす方がホイールの使い勝手が良いようです。また、ボールの回転を検出するセンサーが左寄りに付いているので、ボールの右側に指を添えて転がすのがよいようです。
ボールの回転の検出精度はあまり褒められたものではなく、ちょっと速く回転させるとポインタが思うように動きません。MacallyのQBALLなども高速回転には少し弱かったのですが、The Ballはそれ以上に弱くこの製品の弱点と言えるでしょう。
 
ホイール部から
ホイール部から
ボタンは3ボタンホイール付きという、今では最低限の構成です。
The Ballは、白い本体全体を透明のアクリルパーツが覆っていて、これを左右にシーソーのように倒し込むことで左右ボタンの機能となります。デザイン的には面白いのですが、あまり使い勝手はよくありません。もちろん、左右同時押しはできませんし。
もう一つのホイールボタンは、やや押し込みのクリック感が硬めです。回転の方はクリック感はなく、割とスルスルと動きます。但し、ボールとのレイアウト上、ホイールを回そうとするとポインタが動いてしまうことがあります。
 
全体の質感も良く、使ってみたくなるデザインなのは間違いありません。逆に、デザイン優先としてしまったことによる操作性の悪さが出てしまっていることはとても残念です。
 
次に、BlueTooth対応について。
 
ご存じかと思いますが、BlueToothは携帯情報機向けの無線通信方式です。
たとえば、BlueToothを内蔵したノートパソコンを使っていたなら、専用の受信機無しでThe Ballを利用できます。
また、一般的なワイヤレスマウスやトラックボールが1〜2m程度しか離して使えないのに比べると、規格上は10m近く離して使えるのでレシーバの設置場所を気にせず利用できました。
プレゼンテーションの様な利用シーンでも使えるかも知れません。(あまり手に持って使うデザインにはなっていませんが)
BlueTooth対応のポインティングデバイスには、BlueToothのアダプタが付いているものもありますが、本製品には同梱されません。BlueToothを内蔵していないパソコンで使用するには、別途BlueToothのアダプタを購入しないと使えないので注意が必要です。
 
本体底面
本体底面。
充電用の接点,Connectボタン,
電源スイッチが見える。
The Ballは充電式のトラックボールとなっています。同梱されるUSB接続の充電器に乗せるとグラグラするので、トラックボールを使用することが出来ません。パソコンが操作できないのに、充電のためにだけ起動しておく必要がある。ここは何とかして欲しかったところです。
その一方で、底面に電源スイッチが付いていて非使用時のバッテリー消耗を抑えることが考慮されている点、単4型Ni-MH電池2本という汎用のバッテリーを用いている点は評価できます。保証はありませんが、いざとなれば乾電池でも使用できるかもしれません。
 
全体的に注目される要素の多いThe Ballですが、残念ながら最も肝心のポインタの操作性に課題があるためメインのトラックボールにはなっていません。
既に書いたとおり、少しでも速く動かすとポインタがきちんと移動しなくなること、ボールの右側を意識的に操作しないとポインタがうまく動かない点がそれです。
ただ、何とか使用感に慣れたくて、段ボールにしまい込めない製品であることも確かです。レビューもThe Ballを操作しながら書きました。
BlueTooth内蔵のMacのデザインセンスを損ねずにトラックボールを使いたいという向きにはこの製品をおいて他にないのかも知れません。
 
操作性さえもう少し良ければと言うのがこの製品の一番の感想です。


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