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トラックボール製品レビュー

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CH Products Trackball PRO

2002年5月19日掲載(2002年5月19日更新)

Trackball PRO
Trackball PRO外観
今回のレビューはちょっと珍しい米国CH Products社のTrackball PROです。
CH Products社は、ゲームファン、中でもフライトシミュレーターファンには、ジョイスティックのFlight Stick PROのメーカーとして知られています。
今回、Yahoo!オークションで未開封品を落札できたので使う機会に恵まれましたが、正直なところ現在の入手可能経路は不明です。また、未開封品とは言え、95年ごろの言わばヴィンテージ製品の様なものですので、現在入手可能なものとの差がある可能性も十分ある点はご承知おきください。
今回使用したものは、シリアルインタフェースで、マニュアルの動作OSもWindows95,NT4,0と書かれていました。Webサイトを探しましたが、Windows2000以降に対応した専用ソフトはないようです。実際、CH Products社のサイトにもTRACKBALL PROは載っておらず、OEM提供用に同デザインのモデルがある程度です。しかし、トラックボールですから特別ドライバを入れなくても使えますし、製品もSAFE COMPUTING社 (http://www.safecomputing.com/trackballs.shtml)その他のサイトで購入できるようです。
本体の大きさは、KENSINGTONのPROタイプでないExpertMouseと大体同じ大きさです。デザインもちょっと似ていますね。
ボールの大きさは2.25inchで、KENSINTONの上位シリーズや、ビリヤード球と同じ大きさです。ちょっと飛び出したようなデザインですが、特に違和感はありません。また、ボールの重さはビリヤード球より重いため、かなりしっかりした印象です。ボールは固定されていて、外すには裏ブタのネジを外して分解する必要があります。
一点残念だったのは、私の入手したものはボールに歪み(蚊に刺されて何時間か経った跡のような僅かなふくらみ)があって、気にし始めると気になって仕方ないのですが、それに構わずしっかり動くメカニズム(後述)を持っています。古いものなので、保存状態に因るものなのか、製品の仕様上なのかは不明です。
結局私の場合、ボールをビリヤード球に取り替えて使っていますが、操作感は快適です。
ボタンは4つ付いていますが、最近はやりの4ボタンとは違います。左右の2ボタンと、それぞれのホールド(押しっぱなし状態にする)ボタンになります。これは、設定の変更で、3ボタンと、クリック中に押すとホールド状態にするボタンという組み合わせにも変えられます。ボタンの重さは標準的ですが、ストロークは比較的深めです。これはすぐに慣れます。
DIP Switch
本体底面のディップスイッチ
設定の変更ができることをボタンの説明のところで説明しましたが、このトラックボールは底面にディップスイッチが付いていて、これによってボタンの左右反転や、カウントの変更、なんとカーソル移動方向まで90度単位で変更できてしまうのです。ちょっと時代を感じる部分でもありますが、カッコイイ部分でもあります。
そして、もう一点のカッコイイところが、肝心要の回転検出機構にあります。
Trackball PRO
ステンレスベアリング機構
このトラックボールの回転検知部には、安物トラックボールの様なゴムローラーは付いていません。
ステンレスベアリングに両脇を抱えられたステンレスのシャフトが縦横に配置されており、それがボールと接触して回転をセンサーに伝えているのです。
KENSINGTONの上位シリーズも、ベアリングによる3点支持という部分は同じですが、シャフトを使うという部分は違います。シャフトのほうがボールの回転角あたりのセンサの回転数が多くなるため、精度の高いスキャンができるものと想像できます。逆に、シャフトは径が細い分だけ塵に弱そうですが、使っていて全くそれを感じないところはさすがです。
決して最近のトラックボールの様な多機能さはない代物ですが、ちょっとそこらにあるトラックボールとはランクが違うと言い張る職人魂みたいなものが、一味違った感触を伝えてくれるトラックボールといえます。


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