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トラックボール製品レビュー

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pcally optical trackball (PCGB)

2004年4月25日掲載

optical trackball (PCGB)
optical trackball (PCGB)
まずはメーカーと製品について少しご紹介します。
pcallyというブランドは、Mac用周辺機器では有名なmacallyブランドのPC向け姉妹ブランドです。製品は、台湾の嘉欣科技(股)有限公司が製造しています。
今回紹介するPCGBはショップの輸入品で、今のところ日本の代理店はありません。しかし、同型のMac用トラックボールもQBALLという型番で発売されていいて、こちらは代理店である有限会社オムニのサイトから購入可能です。
QBALLも、PCに繋いで普通の5ボタンホイール付きトラックボールとして機能するようですし、PCGB用ドライバをインストールすれば、PCGB同様に使えるようです。(私が試したんじゃないので保証はしかねますけど。)
このトラックボール、発売予定の情報で初めて写真を見たとき、「マイクロソフトのTrackball Explorerのコピー商品?」と思ったのが第一印象でした。しかし、実物を見ると、大きさ、デザイン共に大変凝った製品で、少なくともコピー商品ではないなと言う印象を持ちました。

では、その使い勝手を書いていきましょう。
まず、ボールですが、半透明でキラキラと反射する粒子が入っていて、この模様の動きをセンサが拾って回転を検出しているようです。いくぶん模様にムラはありますが、ポインタの動きにはムラはないようです。半透明のボールなので、光学センサの赤いLEDの光が透過して、操作時は明るく、放置すると薄暗く照らされます。
ベアリングと光学センサ
ベアリングと光学センサ
このボールは、光学センサー式でありながらステンレスベアリングによる支持方式を取っています。光学式トラックボールでは樹脂などのチップによる点支持が一般的ですが、ベアリングを使うことにより転がり始めの摩擦もなく、気持ちよく操作することができます。
実はこのボール、粒子を入れた構造上なのかあまり球の表面がなめらかではありません。そのため点支持に出来なかったのかも知れませんが、結果的にはベアリングにしたことで良い特徴を出していると言えます。

次にボタンですが、ボール寄りにある大き目の左右のボタンが第1,第2ボタン、手前の小さいのが第4,第5ボタンとなっていて、色んなトラックボールを使っている私にはなじみやすい配置です。
左側のボタンは親指で右に向いて押し込む感じ、右側のボタンは薬指で上から押さえる感じです。クリックの重さやストロークの深さは一般的な部類です。また、きしみ等もなく、しっかりと作られています。
ホイールの回転はクリック感が強めの部類に入ると思います。しかし、きびきびと動作するのでむしろ気持ちがいいです。ホイールボタン(第3ボタン)はかなり重めですが、これはホイール回転のクリック感を優先した結果なのでしょう。
また、ホイールの前後にボタンがあるので、ホイールの操作中に押してしまうのではないかと思いましたが、ホイールが出っ張っていることと、ホイール横のボタンがへこませたデザインが機能して、誤操作は起きませんでした。

さて、ここまでかなりイイ線行っているトラックボールなのですが、天は二物を与えずと言うとおり欠点もあります。
私は普段、ExpertMouseを使っているので、ボールの慣性に任せてゴロゴローッと転がすのですが、この製品ではそれをやるとポインタの挙動がおかしくなります。
数年前はLogitechのMarbleでもポインタが挙動不審になりましたが、それよりもう少し弱い印象です。
また、PCGBはPC用製品ですが、USB専用になっていますので注意が必要です。

普段からボールを勢いよく転がす人にはお勧めできませんが、この点を除くとなかなか魅力的な製品です。
また、デスクトップ型のトラックボールとしては小さめでありケーブルも細めであることや、ベアリング支持なので多少のキズも気にせずに済むあたり、出張時などモバイルシーンでの利用に最適だと言えると思います。
ボールが光るので無駄に転がしたくなるという愛嬌も、この製品の魅力のひとつですね。


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