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トラックボール製品レビュー

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ITAC Systems Professional MOUSE-TRAK

2003年10月1日掲載

Professional MOUSE-TRAK
Professional MOUSE-TRAK
ITAC Systemsというメーカー。ご存じでしょうか?
米国テキサス州にあるこのメーカーは、PCだけでなく各社WSに対応した製品や工業用など、業務用を中心にトラックボールを供給しています。
日本でもあちこちで輸入されていますがショップ販売は見たことがありません。今回は米国のebayにて同社のメインモデルと言えるProfessional MOUSE-TRAKのPS/2モデルを新品で入手することが出来ましたのでレビューしてみます。
ぱっと見た印象のとおり最近の製品ではありませんが、今でも現役のロングランモデルです。パッケージにはDesigned for Microsoft Windows95のロゴが付いています。
本体はパームレストが付いた大きなものです。パームレストは2〜3mmの厚さの硬めのゴムシートを貼っただけのものですが、充分に効果を実感できます。
ボールの回転は軽快です。両端にベアリングを付けたシャフトでボールを支持する方式が功を奏して、慣性を付けて転がすことが出来ます。
ただし、このトラックボールの回転は他社のシャフト支持のトラックボールとはちょっと感覚が違って、シャフトの回転時にベアリングがジョリジョリと音を出します。個人的には静かな方が好きですが、メカ好きの人には嫌いじゃない音かも知れません。
ボタンは全部で4つ。ボールの左右にある第1,第2ボタンのほかに、ボール手前に大きく横たわる第3ボタン、その左下にポツっとあるのはスピードコントロールボタンで、押すたびにカーソル速度が約3分の1ほどになったり戻ったりします。この機能はCADはじめグラフィック系ソフトの使用時には嬉しい機能です。
松下製マイクロスイッチ
松下製マイクロスイッチ
第1ボタンから第3ボタンの内部には上級モデルの一般的なマイクロスイッチよりさらに大きいマイクロスイッチが付いています。この辺からも高級志向が見て取れます。
このトラックボールは、左きき用に第1,第2ボタンの入れ替えをする機能や、第3ボタンをドラッグボタンやダブルクリックボタンに置き換える機能を持っています。
この機能はソフトウェアでエミュレーションしているのではなく、トラックボール本体で切り替えます。第1,第2ボタンと他のボタンを同時押しすることでボタンの機能が替わる仕組みになっているので、ディップスイッチなどもありません。
これまで触れたとおり最近のモデルではありませんので、ブラウザの進む、戻るなどの拡張機能ボタンはありません。この点だけは、使っていてちょっと機能不足を感じました。
一方で、基本的な3ボタン仕様であるメリットもあります。今回入手したのはPS/2モデルだったのですが、一般的なUSB-PS/2コンバータを使ってUSB端子に接続してもすべての機能を使うことが出来ました。
米国の本家サイトでは標準価格は$149となっていて、KENSINGTONの上位機種より少し高い程度なのですが、日本では代理店扱いなので2万円以上になっているようです。
MOUSE-TRAKには、このProfessionalのほかに廉価版のPersonalと工業用の上位モデルIndustrialがあり、それぞれの標準価格は$89と$295となっています。
工業用モデルの本体はガラスの入った耐熱プラスチック素材で出来ており、高度500フィートを飛ぶ飛行機から畑に落下させるデモから生還したと紹介されています。でも、そこまでの強度、誰が求めるんでしょうね。私には高度1mのデスクから落下した際、フローリングに傷を付けないとかの方が大事だったりします。
ちょっと話がそれましたが、基本機能だけでいいから丈夫なものを長く安定して使いたいという方には、このトラックボールはお勧めです。
あとひとつ、価格を気にしないと言う厳しい条件もありますが。


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